剣盾S1使用構築 瞬間1位・最終14位 〜万世不朽アマドヒトドン〜
皆さんこんにちは、いっきです。
今回は剣盾におけるシーズン1の最終日前日に瞬間1位、最終14位を達成した構築の紹介をしたいと思います。今回は
1、構築が完成に至るまで
2、構築のコンセプト
3、個体紹介
4、立ち回り解説
5、まとめ
という構成で書いていこうと思います。特に構築の組んだ経緯についてはかなり丁寧に書きましたのでぜひ一読して頂けると嬉しいです。
↑使用した構築概要&レンタルチーム
〜以下常体〜
1、構築が完成に至るまで
7世代でも愛用していた受け+攻めの要素を組み込んだ構築が最も使いやすく、勝ちやすいと考えたため受け3匹+攻め3匹の形をベースに構築を考え始めた。この構築の組み方であれば、安定して勝てる受け3匹を初めに考え、そこで受け切れない範囲を叩ける攻め3匹を考えるのが構築の完成度が高くなることは7世代でわかっていたのでそのように組み始めた。
そこで自分が初めに目をつけたのがアーマーガア+ドヒドイデの並びであり、電気以外には安易に崩されることがなく安定して勝てると考えた。そして電気に対して強く一撃技で崩しを行えるドリュウズを採用し、この3匹を構築の軸として考えた。しかしこの3匹の並びには
・ドリュウズ交代際にロトムが弱点技を打ってくるとサイクル崩壊する
・ドリュウズに再生技がないため複数サイクルを回されると受からなくなる
などといった明確な弱点が存在した。しかもドリュウズのつのドリルに頼りがちになる試合が多く、当たらずに簡単に負けるといった試合もあり、安定して受けを成立させる駒にドリュウズがなり得ないことが浮き彫りになってしまった。
そこで新たに対電気兼特殊受けを探していたところ、候補としてトリトドンとヌオーが上がった。環境に存在する特殊アタッカーが悪巧みといった積み技前提のポケモンばかりであったため、天然であるヌオーとクリアスモッグを覚えるトリトドンはどちらも特殊受けになりうると判断し、色々考えた(詳しくは個体紹介で)が、最終的には対ロトム性能が飛躍的に高いと考えてトリトドンを採用することにした。このようにして
の3匹を受けの駒として採用することに決めた。
次に、この3匹と相性の良い攻めの駒について考えた。初めに考えたのが、サザンドラやトゲキッスと言った相手の特殊崩しに対する解答である。HDトリトドンは対面からであればトゲキッスなどの特殊アタッカーに不利は取らないものの後出しになるとどうしても後手に回り、完全に受け切ることが不可能である。そこで相手の特殊アタッカーに対して単体ではなく並びで見るのが正しいと思い、そこまで考えて思いついたのがスカーフガラルヒヒダルマである。トリトドンのクリアスモッグによってトゲキッスのS上昇を一段階に抑えることができ、死に出しヒヒダルマの氷柱落としで処理するルートを考えた。実際にこの考え方は上手くハマっていて、多くのダイマックスエースを受けの駒と合わせて処理することができた。
そして、次に考えたのが『構築にダイマックスする前提のエースを組み込むか』という問題である。多くの人がダイマックスする前提のポケモンを構築に入れると選出や立ち回りが歪むと言っていますが、自分は逆で
『ダイマックス前提のエースを組み込むことで、明確な勝ちプランを構築の段階で用意しておく』
ことが強いと思い、ダイマックス前提のエースを構築に組み込むことにした。
自分の考えでは、ダイマックス前提のエースになりうるのは積み技+タイプ一致ダイジェットの両方を使えるポケモンであると考えた。ここまで条件をそろえた上でなおかつ自分が欲しかった要素は
『受けサイクルを潰しに来るアーマーガアに対して後出しから起点にできる』
という要素であり、これら全てにマッチするポケモンがスピンロトムであると考え、ダイマックス前提のエースとして採用した。
最後の1枠には何を入れるか最終日付近までかなり迷走していたが
『何かしらの手段で崩しになりえてそこそこ対面性能のある誤魔化し範囲の広い物理アタッカー』
が適任であると考え、対面性能の鬼で化けの皮もあってなんやかんやできるミミッキュ(ライバロリボイス)を採用した。
2、構築のコンセプト
コンセプトはずばり『受け攻め両立サイクル』。考え方は7世代で出たものとほとんど変わらない。受け切れるポケモンを受けで詰ませ、受けきれないポケモンはこちらの攻めの駒を通して押し切る、といった感じである。8世代環境における構築は、受けのみであるとどうしても相手のダイマックスや崩しに対応しきれないことが多くある。大事なのは受け切ることではなく受けと攻めを両立させて対応範囲を広げることであると自分は考える。
・受けと攻めの切り返しのタイミング
・どの駒を通すか、そのためにどの駒で介護するか
の2点を考えるのが重要である。
3、個体紹介
ガラルヒヒダルマ@拘りスカーフ
性格…陽気
特性…五里霧中
努力値…181(4)-192(252)-75-×-75-161(252)
調整 AS…ぶっぱ
H…残り
氷柱落とし フレアドライブ 馬鹿力 蜻蛉帰り
本構築の軸の1匹。選出率は恐らく9割を超えるレベルであった。このポケモンの使い方を理解してから勝率が飛躍的に上昇した。このポケモンの強みは
①相手の選出や立ち回りを歪ませる
②受け構築との相性が良い
③過去最高と言えるくらいの初手・スイーパー性能
の3点であると考える。
①に関しては言うまでもなく、相手視点はこちらの技の一環を切る選出を強要させられるため戦術誘導力が高い。さらに受けにくい火力と技範囲を持っており、有利体面を作れれば相手に一方的に負荷をかけることも可能である。そして8世代における強い戦術の一つである『先に相手にダイマックスを切らせる』という行動を初手から相手に強いることができる点もかなり高く評価できるだろう。
②に関しては私が考えたことであるが、①のように有利対面を作った際に相手はダイマックスを切ってくることが多いため、そこで蜻蛉帰りを選択し、受けをクッションとして後出ししてダイマックスを凌ぎ切るといった立ち回りがとても強かった。
③に関しても私の意見ではあるが、蜻蛉帰りを覚えることで初手に出しやすく、火力もかなり高いので最後に一掃する役割を持てる点が従来のスカーフ持ちに比べてかなり強いと感じた。
以上のように、このポケモンに関する強みを話せばキリはない。火力と受け辛さについてばかり注目されがちであるが、それだけではなく立ち回りの柔軟性をあげること、立ち回りの強制を強いることがこのポケモン最大の強みであると思う。受け構築の潰し枠として自分が現段階で最も強いと思っているポケモンである。
ミミッキュ@命の珠
性格…陽気
特性…化けの皮
努力値…131(4)-142(252)-100-×-125-162(252)
調整 AS…ぶっぱ
H…残り
シャドークロー 戯れつく 影打ち 剣の舞
構築の最後に入ってきた最強ポケモン。特に言うことのない技構成と持ち物だが、これが最も単体性能が高く、構築にマッチしていた。
8世代におけるミミッキュの役割は
①相手のダイマックスターン枯らし
②相手の積みに対するストッパー
③ダイマックスによる単純な積みエース
の3点であると考える。
①に関しては8世代独特の考え方であり、試合中に1度しか使えないダイマックスのターンを無条件で1ターン消費させることができる行動に弱い理由がない。
②に関しては7世代と同様の考え方であり、相手のダイマックスに対してや積みエースに対して化けの皮を活かした運用であり、ミミッキュの強い使い方である。
③に関しては8世代で新しく入ってきた考え方であり、ダイマックス+積み技によって単純な高火力エースとしての動きができるのがこのポケモンの立ち回りの幅を広げたと言えるだろう。
受け構築にはいるミミッキュの強さは7世代で充分体感していたが、ダイマックスで止まる相手が減ったことにより様々な構築に対して選出ができるようになった。7世代、8世代共に最強ポケモンであると実感した。
スピンロトム@オボンの実
性格…控えめ
特性…浮遊
努力値…157(252)-×-137(68)-157(140)-128(4)-112(44)
調整 C…+2ダイホロウで皮ダメ込みDMミミッ
キュ確定1発
S…+1で最速100族抜き
H…ぶっぱ
B…残り
本構築の圧倒的エース。幾多の試合をラスト1匹から3タテしてきた。このポケモン以外にダイマックスエースを任せる気が起きないくらいには強かった。このポケモンの強みは
①悪巧み+ダイジェットによる抜き性能
の2点であると考える。
①に関しては言うまでもなく、前述の通り積み技+ダイジェットを有効に使えるポケモンが強く、更に通りの良い電気技も覚えるため技範囲が広く積んだ後の抜き性能が飛躍的に高い。オボンを持たせているので悪巧みを積みながら最低限のHPを確保することもできる。
②は意外と思われるかもしれないが、耐久に厚く振ることでドラパルトやサザンドラといった高水準のポケモンにもダイマックス対面で勝てるようになる。悪巧みをしていなければ勝てると踏んだ相手を返り討ちにできる。
ロトムの中では使用率が低いが自分はスピンロトムが最も強いと思っている。広い技範囲でSを上げながら全抜きする姿はアーゴヨンとかなり似ているため使いやすかった。環境にもっと多く存在しても良いと思うポケモンの1匹である。
トリトドン@食べ残し
性格…穏やか
特性…呼び水
努力値…218(252)-×-88-112-147(252)-60(4)
調整 HD…ぶっぱ
S…残り
熱湯 大地の力 クリアスモッグ 自己再生
本構築の影の立役者。特殊受けはもちろんのことクリアスモッグを絡めて起点を回避しながら裏の攻めのコマに繋ぐなど幅広い役割を持つことができた。
後述するアーマーガアとドヒドイデを見て相手はロトムを中心とした電気を選出してくることが多く、そこにトリトドンが安定して受け出しを決めることができるため有利サイクルを形成することができる。
このポケモンの最大の強みはクリアスモッグであり、処理の難しいトゲキッスに対して安定した処理を可能にできる点、積み技を持った相手に連打して起点回避する点などこのポケモンの性能ととても相性が良かった。あくびを採用している方が多いが、構築に積みポケモンが少なく、受け攻め両立サイクルを形成しやすくするためにはクリアスモッグの方が適していた。環境にラム持ちが多かったのもありこの判断で良かったと思う。受けループに入る性能はないものの受けサイクルに入る性能は随一であると感じた。
このポケモンはダイマックスするとダイアシッドでCを、ダイアースでDを上げることができ、アマドヒドを見て出てくる特殊アタッカーに対して一方的に起点にしたりすることもあり、このポケモンだけで3タテすることも多くあった。
アーマーガア@フィラの実
性格…腕白
特性…ミラーアーマー
努力値…205(252)-107-170(236)-×-105-90(20)
調整 H…ぶっぱ
S…ミラー意識の20振り
B…残り
アイアンヘッド ボディプレス 鉄壁 羽休め
何故か環境から絶滅しかけている鉄壁アーマーガア。このポケモンで見たい相手が受け構築ではなくミミッキュを始めとした物理アタッカーであったので鉄壁型にした。
HSやHDと大きく違う点は言わずもがな積まなくても相手の物理アタッカーを安定して受けることができる点である。逆に挑発ビルドのような相手への安定した崩しにはなり得ないのが欠点だが、鉄壁ボディプレスで多少なりとも崩しになりえるのでそこまで気にならなかった。
相手の崩しが物理によりがちであるとこのポケモン1匹で詰め切れる試合もあった。前述したトリトドンと相性が良く、この2匹でサイクルを回して相手を詰ませる動きが強力であった。
最近では最速アーマーガアで相手のアーマーガアを見ると言った構築が多いらしいのでこの型も鉄壁を積めれば急所で勝てるので増えてもいい型のように感じる。
ドヒドイデ@黒いヘドロ
性格…図太い
特性…再生力
努力値…157(252)-×-224(252)-73-163(4)-55
調整 HB…ぶっぱ
D…残り
熱湯 毒毒 黒い霧 自己再生
シンプルにして最強の技構成。こいつがいないと受けサイクルは成り立たない。アーマーガア+トリトドンできついエースバーンやリザードンを見てもらう。調整が思いつかなかったので、ミミッキュを少しでも厚く見てBにふった。
このポケモンの強みは言わずもがなサイクル復帰性能と詰ませ性能である。再生力を活かした複数回のサイクル参加に加え、耐久と耐性が優秀なため突破できるポケモンが限られてくる。そのため有利不利がはっきりしておりサイクルさせやすい。毒毒を持たせることで遅効性のある崩しにもなる。構築単位で毒サイクルにはならないため黒い霧も必須である。
ダイマックスによりドヒドイデを崩す手段が増えたため一見向い風に見えるが、大切なのはこいつで相手にダイマックスを切らせること。ダイマックスを先に切らせれば攻めの駒を通しやすくなる。単体で見れば脆いかもしれないが構築で見ると確実に必須な役割を持ったポケモンである。
4、立ち回り解説
〜基本選出〜
・スカーフダルマ+抜きエース+受け
この選出が最も多い。初手にスカーフダルマで対面操作をしながら受けをクッションにし、ミミッキュやスピンロトムなど抜きエースで全抜き、もしくは場を荒らしスカーフダルマで〆る展開を勝ちプランとして試合の流れを描いていく。
・スカーフダルマor抜きエース+受け2匹
相手の構築を2匹のサイクルで受け切れると判断した場合にする選出。受けきれない範囲を攻めの駒でごまかしながら受けで相手を詰ませることを目標にしながら試合を展開していく。
相手にラプラスやカットロトムなど受けの3匹が全員不利を取るポケモンがいた際にする選出。対面選出と謳っているものの対面性能がそこまで高いポケモンが並んでいるわけではないので立ち回りで択を通し続ける必要がある。
・重いポケモン
サザンドラ…スカーフが増えてきてダルマが処理されることが増えた。トドンと合わせて処理する必要がある。
ラプラス…受けが崩壊する。裏の駒とうまく噛み合わされると勝てない。
ギルガルド…選出段階で物理か特殊か判断する必要があり、読み違えると崩壊する。
ヌオー…突破手段が少ない。毒毒をうまく入れる必要がある。
〜以下再び敬体〜
5、まとめ
剣盾における初めのシーズンで最終日前日に瞬間1位を達成し、なおかつ最終も14位で過去最高の記録で終えることができて満足しています!旅行があったにしてはそこそこな結果が出せたと思います笑。
環境が定まらず、色んな構築が散見されました。その中でも受けの数はかなり減っており、やはり厳しい環境であると痛感しながら潜っていました。それでも自分のスタイルである『受け攻め両立』の1つを体現することはできたんじゃないかと思います。開拓が進んでいないながらも完成度がそこそこあるサイクルベースの構築が組めたと思います。今後の構築構想において少しでも参考になれば幸いです。
14位という素晴らしい成績を残すことができましたが、やはり最終日メインロムを怖くて動かすことができなかったのは自分の弱さであると思います。剣盾において最終結果を一度残すことができたので次からは臆せずに頂点を目指して行きたいと思います。
今後も結果を残し続けられるようなプレイヤーを目指して頑張って行きたいと思います!後ガラルビギニング本戦も近いので調整して行きたいと思います!
メインTN:いっき 最高1位最終14位
サブTN:Sasanqua 最高5位最終169位
ここまでご愛読ありがとうございました!
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